★ 2001紀伊半島・中国/四国地方漫遊の旅2(9月17日(夜)〜20日)
今回も前書きです(長文注意・スマンな)
さぁ、さて次はなんだ?真打登場「HONDA NSR250R」である。これまた銭に余裕がなく96年購入にもかかわらず買ったのは88年式こみこみ26万円也。買った時点で既に10年落ち近いマシンでモハヤ「でんせつ」になりかけていた老兵であるが、こいつぁ状態が非常によくて大当たり。元々88NSRは雑誌なんかでも「さいきょう」の称号を与えられることが多いが(実際は最新型のほうがはえーに決まっているんだが・・・それと「最強なのはPGMの初期バージョンだけだぜ!」ってのはナシね)、その「さいきょう」の名に恥じぬ非常に硬派なシブイ危険なヤツである。これぞ2スト的なマシンは一度は乗っておきたいバイク乗りの必須アイテムとも言う。
それにしてもなんで88は「さいきょう」なんだろか?答えは簡単「乗る人間をえらく選ぶ」生粋のれーしんぐマシーンだからである。(市販車のクセに一般公道での走行はあまり考慮されていない/レーサーにナンバー付けたダケって噂もチラホラ) だって普通に乗るとひっじょうに乗りにくいんだモン、マジで。日本2輪史上最もシビアな前傾を強いるポジションとか、ガッチガッチに硬くて70馬力までは耐えるんじゃない?ってフレーム(つまり適当にのってると「こいつ全然まがんねー乗りにくー」ってやつだな)とか8000回転以上キープでベストの走りができるエンジンとか(HONDAからの「ブン回せ、コラ!」ってメッセージだな多分)、チャンバーから吐き出される排気音があまりにもうるせーので(これがまた「れーしー」で「くーる」なんだナ)どこぞの社外品か?なんて、よくよくサイレンサーを見てみると「HONDA GENUIN(ホンダ純正・この状態で売ってるんだよ!文句あっか!コラ!ってことだな)」のマークがあったりと、兎にも角にもブットンデイルマシンである。88年ということで正にバブル絶頂の日本が生み出した、「88NSRの後にNSRナシ」的マシンである。あの時代じゃなきゃこんなマシンつくれんかったよな〜。
こんな街乗りサイテーマシンだが、「とっても、れーしー」なので、ライト(これまた小さくて最低光量/夜は何にも見えないがとっても軽い)・ウインカー・シート・タンク・カウル等の保安部品・外装関係はねじ2本くらいでアッサリ外れて最強の整備性を誇るのも事実。そうそうタコメータと速度計は分離型なのでこれまたねじ数本で速度計側は即脱着可、というより速度計は後からおまけで付けた感じがする、まさにれーさー(れーしんぐマシンはスピードメータないんだヨ!)
こんなとっても硬派なマシンに乗ってしまったのが幸運だったのが不幸だったのか、今となってはよくわからない。ただ、峠だと手を抜けないマシンなので(手を抜くとちゃんと曲がんない、加速しない)ヒザすりするような走り(ぞくにいうところの「はんぐおん」ってやつだな)を身に付けたのもこいつのおかげである。加速・減速・全身を使って体重移動・ステップでの荷重移動一つ一つをきっちりこなさいとまともに走れないので全然楽しくないが、ツボにはまると正にエクスタシー!走っていて思わず自分に酔っちまうぜ。
こいつとの思いでもたくさんあるが、とにかくあっちこっち走り回って「はいさいど、あれ?お空が下に見える、頭上にアスファルト?なんだこれ?ましーんが吹っ飛んでいくなぁ〜、がっちゃーん」等の貴重な経験を沢山させてもらった。それと唯一故障したときがあって、購入間もないころ「くらんくしゃふとべありんぐがひちきちれる!」というトンデモナイことが起きたのもこいつ。しかも場所が「首都高速都心環状線銀座付近・土曜の夜」だったからさぁ大変。ベアリングが引きちぎれるとピストンがロック、つまり焼きつきと同じで最悪「後輪ロックでそのままマシンもろとも吹っ飛ばされる」状態である。ふっとばされたら後ろからくる「じーてぃーあーる」にペッタンコにされちまう!。・・・ なんとかクラッチが切れたので惰性でしばらく走って停止できたが、ん?ここは首都高上だぞ?またまた困ったなぁ〜。
しらない人のためにワンポイント>1.首都高には路肩はありません 2.道幅ギリギリ2車線分しかありません 3.当然歩道もありません 4.出口まで行かないと一般道に出られません
とりあえず、エンジンは完全に固着していてキックも踏めずエンジン始動不可。もう、潔くあきらめて押していくしかないのだが、何度も言うが首都高サタデーナイトフィーバーである「びーえぬあーるさんじゅうに」とか「えふしー」はたまた「いちはちまるえすえっくす」なんて輩が祭りよろしくブンブン私の横を減速もしないで駆け抜けていく(かるく100キロ超)。当てられた日には一発昇天である恐怖とともに汐留の出口までマジで押していかなければならなかったのだが、この時ばかりは「天は我を見捨てず!」なのであった。銀座から汐留方面はトンネル>高架のエリアなのであるが、その途中で高度的に一般公道と交わる地点があり、実はその交わるところに一般道へ退避できるような壁が切れている部分があったのじゃ!(普通に走っていると一瞬なんで気づかへんな)しかも鍵付きゲートでなく、鎖一本で封鎖されているだけ(そこらへんの駐車場と同じ)なので鎖を手ではずすとそのマンマ外へ出られてしまう!まさに命拾いな出来事でありました。
まぁほかにも色々あるのだが話が脱線しすぎるので次にいこう。お次は「TOYOTA TOWN ACE(トヨタ タウンエース)」である。実はコイツは私の個人もちの車ではなくて会社の車、でも私用で使いたいときには結構使えた車なのである。・・・ん?それにしてもどんな車だって? そーだなー、例えるなら「工事現場へ向かう」とか「屋根に脚立をくくりつけて」等のことばがピッタリあう車だ。お世辞にも「すぽーてぃー」とか「はしりや」なんて言葉は似合わないが実はこいつナカナカ面白いマシンである。なんでかっていうと「FR」なのだよコイツは。(フロントエンジンリアドライブ、うしろのタイヤがエンジンに繋がっているってことだな)
夜中にタイヤを「きーきー」言わせて「ドリドリ」している人たちの車はもちろん、F1マシンだってみーんなFRである(FRはドリドリしやすかったり、速く走るにはイイらしいよというのが定説、HONDA車は例外ダケドナ)、逆にパパさんが日曜日に家族を乗っけて走るような車はみーんなFF(前のタイヤがエンジンに繋がっているのさ)つまり「タウンエース=はしりやと同じ血統をもっとる」ってことだ(えっ?無理があるって?まーまー硬いこと言わないの)「でも、ぱわーがないと、あーゆー過激なはしりはできないんじゃないの?」という意見もあるのも確か。じゃぁタウンエースは馬力はないのか?はっきり言ってスピードは出ないけど、低速のトルクは「ずどーーーん」とあります。(トルクってのは力の出方だな、トルクがでかいとトッテモ力強い感じがする)だって、人と荷物を満載して山の中の悪路を上っていったりしなきゃいけない車だからね。なので、砂利道とか雨降っているときのアスファルトでは結構簡単にホールスピンをかましてくれるお茶目さんなのです。
このことに気が付いたのが、とある日に、社用であることをいいことに砂利駐車場に突っ込んで、ターンの時にでラフにアクセルを踏み込んだ時で、ぬあんとコイツ「ずりずりずりぃぃぃぃぃ〜」と「ドリドリ」するではありませんか!たまらずカウンターを当てつつ、アクセルをキープしつづけると、とっても綺麗な放物線を描いてタウンエースがコーナーを立ち上がっていくのでした!「あっ、これってまさしくイニD感覚?」こりゃ驚いた!アクセルワークでパワースライドできるトッテモ「脳アル鷹ハ爪隠ス」的なマシンであることが判明したのでありました。
さて、こんなモンで歴史は終了、現在に戻りましょう(長かったね〜)。現在所有のマシンは「Suzuki DJEBEL200」(すずき・じぇべる200)名前のとおり排気量200ccのオフロードバイク(砂利とか土道を走るボコボコのタイヤがついているヤツね)である。コイツの売りはなんと言っても「遅い」ことに尽きる。パワーがない、無茶苦茶遅い、そのくせ5速しかないので80km以上で走るのが辛いちゅー3拍子そろった憎いやつである。まぁその分「新車でも、こみこみ27万円、激安!(消費税・自賠責・整備・登録料含む)」「脅威の燃費性能、リッター33〜36はあたりまえ、満タン一回13L(1300円くらい)で航続距離は400kmは余裕」等、これまた脅威的なせーるすぽいんとを備えるダブルで憎いヤツである。
こんなに憎いヤツではあるが私が乗るとどうしても攻め込んでしまうので、ブロックパターンタイヤにもかかわらずサイドはドロドロ溶けてしまっていたりする。たまぁ〜に「はこね・つくば・おくたま」あたりを爆走するのだが、そんなフルノーマルの「じぇべる」がいたら多分私だ。このマシンでロードを攻め込んでいるヤツなんかはそうそういないっしょ!パワーが無いってことは、そんだけアクセルを「がしがし・ぷんぶん」開けていけるってことなので、これはこれで結構楽しかったりする。
まぁ今回はこんな相棒との旅なのです。
次回からが本章です(マジで長かったねー)