■ 2002 最終チャレンジ 富士登山(9月3日)

さてといってまいりました富士山でございます

■ 日程は?

 今回は2002年9月3日に出発の日帰り登山でございます。体力に自信があり、関東甲信越および東海地方在住(富士山まで行くのにそれほど遠くない人)であれば、日帰りも可能です。可能は可能ですが、カナリきついので覚悟はしておきましょう。私の場合、仮眠もロクニ取らず、深夜1:30にバイクで出発〜5時ごろ5合目到着し、そのまま登頂開始という強行スケジュールでした。おかげで8合目で仮眠を取るハメになっちまいました。車で行ける方は現地に早めに5合目まで行って仮眠を取った方が、高山病対策のためにもよいそうです。5合目の空気に慣れるというのは結構有効らしいです。

■ 富士山を登るには

「富士山 登山ガイド」等でググると「現地までのルート・登山ルート・所要時間・必要装備・初心者の注意事項」がツラツラと出てきますので興味のある人は是非調べましょう。私が参考にしたのはここです(他にも沢山あるよ)

http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/

さて、富士登山をする場合に考えなければいけないのが、季節と時間とルートだと思います。

□ 季節について

 私も誤解していたのですが、富士山のシーズンというのは7月と8月だけです。それ以前は雪解け前で超危険、その後は雪が降る・最低気温がマイナスになる等でシロートが登る季節じゃないそうです。しかも7・8月(正確には8月下旬の山閉まで)以外は「ほとんどの山小屋が営業していません(5合目は除く)」、つまりシーズンを過ぎると食料も飲料も、果ては「便所」も確保できないんですねー。コレは困ります。装備は重くなるし、便所にもいけない・・・(六合目以上は岩と砂だけなので、物陰なんてありません)

今回は9月3日でしたが、8合目以外の山小屋は全部閉まっていました。

 では、何で9月を選んだのか?といえば「空いているから」の一言に尽きます。富士登山ルートは主なもので3つあります。北と南と東からのルートになるのですが、シーズン中(特にお盆付近)は登山道の渋滞が発生します。人が鈴なりに連なってタラタラ登っていくわけですわ・・・しかも頂上では3本のルートが合流するわけですから、ある程度人がたまると、入りきれなくて登山道の流れが止まります・・・冗談じゃないですね。お休みが取れるのであれば8月下旬ギリギリの平日をオススメしておきます。山小屋もやっていて、人も少ないでしょうから。

□ 時間について

 富士登山で一番多いのが「ご来光ツアー」です。深夜に登って夜明け前に頂上着、日の出を見たら下山というパターンです。コレシーズン中だと激込みなので、個人的にはイヤです。今回は人の少ないシーズンの更に人の少ない時間帯つーことで夜明け前登頂開始スケジュールにしてみました。案の定私が到着した時間には5合目の駐車場は車が沢山ありまして(それでも少ないんだけど)帰ってきたときはガラガラでした。登山道も六合目までで2人しか会いませんでした。頂上まで行っても「人いないなー」な感じで非常に落ち着けましたよん。ただし、ここらへんは目的次第ですのでお好みで。

□ ルートについて

 富士登山ルートは主に3つ、北と南と東から登れます。全てのルートで5合目までは車でOKです。私が選んだのは東側ルート「須走口ルート」です。まぁ人が少ない&5合目までが有料道路でないつーのが決定の理由なんですけどね・・・。各ルートにはそれぞれ特徴があるので適当に調べてくださいな。

■ 装備について

 シーズン中であれば軽装でOKです。夜間の登山の場合は気温がそれなりに下がるので防寒具が必須、それと登山ライトが無いと地獄を見るそうです。夜明後の登山であれば、晴れていれば直射日光がスザマシイので「日よけ対策」を完璧に。帽子とサングラスとタオル、薄手の長袖(体温調節のしやすいYシャツなど)が必須です。わたしゃなーんにも持っていかなかったので、首から上が真っ赤になりました。

 それと「飲料」ですが、天気がいいと2Lは欲しいですね、わたしゃ1Lで登ったのですが8合目で飲みきりました。本8合目の山小屋が営業していなかったら地獄でしたね。山小屋で買うと500mlのペットが400円〜500円しますので、そこだけ注意しましょう。イヤなら重いの我慢して全部持っていけ。でも実際登ってみると500円払っても現地で買ったほうがマシと思うのも正直なところ。私は2本も買いました、後悔はありません、というか感謝してます。

 最後に靴ですが、歩きに靴の性能が出るのは「ビラ撒き」で痛い程分かっている私なので、しっかり履き慣らしたトレッキングシューズで行ったのは当然のことなのでし。

■ 5:30須走口出発

 人が全然いない須走口をしゅっぱーつ!つーかさ、これから登る人は皆無。少ない皆さんは夜明けの赤富士を撮影しているようです。登山道とトボトボと歩いていきます。富士山は5合目でも既に「雲の上」なので、赤く染まる雲海がとても綺麗だったりします。コレだけでも結構感動モノなのでし。

 さてと、一人で歩いていくと森に突入します。そうです、須走ルートは最初が森林地帯なのです。これは他のルートに無い特徴です。六合目付近までは木々が連なっていて、それを過ぎると岩の山肌が剥き出しのエリアになります。退屈しないのでいいですよ。しばらくすると森林の中に山小屋が見えてきました。「本5合目」・・・ったく、六合目かと思っていたのにがっかりだよ。シーズンオフなので当然閉店です。コノ時点で既に6:30、1時間かかっています。コレは「高山病対策」で必要以上にゆっくり登ったからであります。最初にペースを上げ過ぎると「ムダに体力を消耗し、高度に慣れない体が高山病になる」そうです、ハイ。

 更に進むが、登山道に人影は殆どないまま六合目山小屋に到着、やっぱり閉まっています。なお、途中すれ違った(私が追い抜いた)のは2グループだけでした。時間にして7:05分(本5合目から35分)なお、2番目のグループは「男三人とその中の男の彼女1名=4名構成」だったのですが、六合目手前で既に女の子がグズっていました・・・オイオイここでそんなんじゃァ・・・って感じですが、多分途中で引き返しましたね、アレは。富士登山ではグループ構成は重要です、体力的に同じくらいじゃないと駄目だね、ペース乱れると体力ある人でもバテます。ソレがイヤなので私は単独登頂にしたんですけどね。

なお、六合目ではどっかのオッサンが携帯で自宅に自慢の電話をかけていた・・・

 
<左>
須走口5合目からの富士山。夜明けの富士は赤富士です。あそこまで行くんですか?マジですか?

<右>
振り返ると既に雲海。夜明けということもあり、平らなうす雲。 雲の海とはまさに言いえて妙

<左>
登山道は木々が茂り暗い・・・誰もいません。一人で進みます

<右>
歩いていると、森の途中に視界が開ける場所があります。5合目より若干高度が上がっているのが雲の見え方で分かるかなぁ?

<左>
ちっとも近づかねーなぁ・・・遠いなぁ、まだ六合目です。

<右>
やっとこ六合目です。日が出てきたので雲が発達します。絶景かな! オッサンは携帯で家族に自慢話中・・・5合目〜頂上全てで携帯は結構使えたりします。 でも不安定なのでつながらない場所もあるよ。

■ 7合目到着7:45(六合目から40分)

 7合目まで来ると、木々はすっかり無くなり、無骨な岩肌と火山岩が砕けた砂となる。お日様も高くなり始め、青空の下に雲海という絶景が広がり始める。5合目付近でも雲海の上なのだが、高度が上がるので雲の見え方がよりダイナミックになる。飛行機に乗ってる気分だね。その後は7合目半、8合目(8:30)、本8合目(8:55)、8合目半(9:45)と順調に高度を稼いでいくが・・・ツライ・・・つらいです、マジで辛いんです。

 道の状態も変化していきます、森林では土と石のデコボコなんですが、7合過ぎからは岩肌を登ります、さらに8合辺りからは砂利になります。コノ砂利が曲者で、急斜面の癖に砂利なもんですから、1歩進んでも0.5歩ずり落ちます。ずり落ちすぎないように踏ん張りますから無茶苦茶疲れるのです。岩登りの方が10倍マシだと感じるはずです。そんなワケでほぼ徹夜状態の私は疲労で睡魔に襲われてしまい、8合半の山小屋で30分の仮眠を取ることになったのです。といってもベンチに横になったら寝てしまっただけなんですが・・・。

■ ぐっとコラエテ登りつづける

 さてと、8号半を過ぎ残るは9合目の山小屋経由の頂上です。実は8合目付近からは頂上がマ近に見えます。人が動いているのも見えるんです。それだけ近いんですが、登ると遠いんだよねぇ〜。斜面も急になるので上を見ている暇もないんだけどね。ココからはひたすら我慢して1歩1歩確実に登っていきます。ひたすら砂利と格闘し、9合目付近からは、「オイ!どこが道なんだよ?」という岩肌を登ります。ちなみに9合目の山小屋は崩壊していて材木が転がっているだけの状態です。

 頂上の浅間神社の石垣が目の前に見えてくればラストスパートです、ピーカンの青空の下をジリジリ登っていき、最後の直線石階段を狛犬まで登れば到着です。(11:10 >トータル5時間40分)

<左>
セルフタイマー記念写真。逆光でイイカンジだね。俺カッコいいか?

<右>
7合目の山小屋?何合目か忘れました・・・。それにしてもロープが張ってある ところが登山道なんですが・・・どこが道やねん!

<左>
山小屋が連なっていますね。各合目になります、確か八号・本八合・八合半だったかな?肉眼だと結構近いのですが、歩くと・・・

<右>
こんなところまで来たんですね・・・アンタえらいよ。体力あるね。

<左>
唯一やっていた山小屋。500mlペットが400円と非常に良心的(他なら500円だぜ!)

<右>
石垣が山頂の浅間神社です。勾配は更にきつくなるが、岩場なのでマシ。 目の前をいくお兄ちゃんは両手ふさがっているのにスーイスイ進んでいく。 明らかにプロ。

■■ 頂上はどんな感じよ?

 頂上は火口のを取り囲むように施設が点在する。富士最高峰は須走登山道の終点とは反対側(西側)の「剣が峰」になるのだが、気象庁の「富士山レーダー」(現在は使用されていない)の建物が見える。南側には山小屋、私が上がってきた東側には「浅間神社」がある。火口を1周することを「お鉢めぐり」と言うらしいが、1時間は余裕でかかるらしく、わたしは行かなかった。既にバテバテである。

 火口付近はフェンスも無く、直前ギリギリまでいくことが出来るのだが、道なんざサッパリ整備されていないので、滑って火口に滑落!なんてことに注意が必要。落ちたら間違いなく昇天しちゃいます。そんれぐらい深いんだよ。

 1時間ほぼボーっとしてみた。天気が良過ぎて寝ていると皮膚がヒリヒリしてくる。日焼けというか「火傷」だね。案の定下山後2日で「顔面の皮膚がボロボロ剥ける」状態になった。下山直後は、赤くなるというか「皮膚硬直」を起こしていて、自分の体じゃないみたいな感覚だったので、日よけ対策は大切かもしれない。

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鳥居を抜ければ頂上ナリ。それにしても鳥居と狛犬は・・・誰が背負ってきたんですか?

<右>
頂上からの雲。八合目辺りと変わんないですが、とりあえず達成感はあるよ。

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富士火口と剣が峰。一番高いところにゴミみたいに見えるのが元気象庁の測候所。撮影した足元もあんな感じで断崖絶壁なので、落ちたら死にます。確実に死ねます。

<右>
小高いところから浅間神社。風速100mに絶えられるように、地中に埋まるように社が形成されています。石垣にはさまれた通路は、さながら古代遺跡のようです。

■ 下山の苦しみ

 さてと登ったら降りなきゃいけないのが登山の辛いところ。登りは筋肉にきますが、下りは関節(特に膝)にきます。須走下山ルートは砂地が多いので、調子に乗ってスリズリ降りていくと、道半ばにして膝が爆発します。鍛えている人であっても「膝サポータ」は必要だと思うんだけど、ガイド系のページには記述が少ないんだよねぇ〜。私はサポーター代わりに、膝の上下にテーピングを巻いて凌ぎました。途中で1回外してみたんだけど、負荷のかかり方が全然違ったので、再度巻きなおしました。

 途中からは「濃霧発生」で回りがサッパリ見えなくなり、しかも下山する人も殆どいないため、単独霧の中下山になってしまいました。頼りない「下山道こっち」の看板だけを目印になんとか3時間程で下山できたとさ。

おしまい

 

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