■ 四万十川を目指す

 翌朝5時に起床、さっさと身支度を整え5:30には出発だ。人気のまばらな市電の張り巡らされた市内を抜け桂浜方面へと向かう。昨年はこの道が分からず苦労したが、今回は見慣れた風景なので迷うことなく海へ一直線。ルートとしては一度太平洋まで出て海岸沿いに窪川町を目指し、そこから内陸へ入って四万十川流域を下っていような計画にしてみた。

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高知駅からまっすぐ桂浜方面へ向かう途中の橋。

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更に先にある市電の駅。早朝なので誰もいない。

 海岸沿いを西へ向かう途中「横浪」の観光道路にはいる。ここは海岸直前まで山が切り立ち入り江が続く景勝地だ。入り口付近は港となっており、海の町ということもあり早朝から小型の漁船が沿岸にたくさん浮かんでいる。ちょうどそのころ太陽も昇ってきてキラキラ光る海面に漁船がシルエットとなっていて綺麗な画となっていた。あーー洗心!

■ 四万十川を下る 

 窪川までは小2時間くらいだったかな?窪川の付近だと四万十川は中流のチョット上くらいに当たる。川幅も狭く河原の石もゴツゴツ大きなモノだ。ここから100kmも下れば河口の中村市に出る。国道381号線は四万十川に沿って走る道なのでひたすら道なりでOKである。途中気になる風景があればチョコチョコバイクを止めて写真を撮る。

■ 四万十川に関する誤解

 日本最後の清流と呼ばれる四万十川であるが流域一帯がスンバラシイ景観を保っているわけではない。確かに出来るだけ川に対して手を加えず、ゴミ問題も流域住人の意識のおかげで皆無に近いが、コンクリートを打たなければ川沿いに道路も造れないし、人家だって普通に川沿いに建っている。河原の自然は基本的に手つかずなので木々は多いが、チョット見ただけでは「んー綺麗な川だね」位にしか思わないエリアが多いと思う。まぁ、それでも四国の自然と相まってスバラシイ景観を作り出しているエリアはかなりある。

■ 沈下橋

 四国の河川には「沈下橋(ちんかばし・ちんかきょう)」と呼ばれる橋が存在する。関東の人には馴染みはないけど、旅行番組で四万十川がレポートされれば必ず出てくる名物である。何かというと、平時は通常の橋として機能するが、洪水時は水流に沈んでしまう橋のことを指す。沈下橋は平時であっても水面から2〜3mの高さしかないので洪水時は当然水没する。水の力は偉大なので、普通の橋の造りでは洪水で流されてしまうから、水の抵抗が少なくなるように橋の両側の手すりを無くしたり、橋桁も抵抗を極力減らすような造りになっている。

 メリットとしては高度を稼がなくていいので橋の長さ自体が短くでき、橋脚も短くできるからコスト的にはいいんじゃないかな。デメリットはヤッパし欄干がないから転落の危険があるってこと。実際に車や人の転落は起きるらしい。

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通常の橋と沈下橋が並ぶ。高低差がよく分かる。

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鉄道の鉄橋と沈下橋。

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