★これでおしまい

とまぁ長々と書いてきましたが、私のビラ巻き日記はここでおしまいです。辞めてしまえばイイ思いでって感じですね。やっているときは辛いことがたくさんあったり、葛藤なんかもしていたんでしょうが・・・。

辞める日のエピソードに関しては、書くほどのモノは全く無しです。いつも通りにビラを受け取り、いつも通りにビラを撒き、いつも通りに集合場所に集まって・・・こんな感じで「お見事!」と言うくらい完全に同じ。どんなに会社に貢献しても、退職の餞別も、プレゼントも、打ち上げもありません。仕事の見返りは十分な高給で受けてるって考え方は外資系企業にも通じるシビアさかもしれません。私が辞めても他の人は明日からもまた同じ作業の繰り返しなんだな、なんて思うと出会いと別れの意味の無さを感じちゃいます。
唯一の違いとは、集合場所から電車で副班長と一緒に帰ってきた時に、私が降りる駅でガッチリ交わした握手くらいなモノ。でも、それが一番うれしかったけどね。

★最後の最後

実は、本当の最後は辞めてから給料を取りに行くときになります。ただし給料をもらってそのまんま帰ってくるだけですから、イベント的には面白みが欠けますが・・・。 私の場合次の仕事の関係で2週間ほど期間をあけて取りに行きましたが、あれほど見慣れた風景でも、自分の住む世界が変わってしまうと非常に新鮮です。撒き子さん達が全員出動したあと(11時位かな)で顔を出しましたが、壁のグラフも、積まれたビラも今では自分と全く関係のないモノになっちゃっているんですよね。完全に過去のモノ、郷愁を誘うものにしかなりません。まぁそれだけ思いで深いといえばそうなんですが。

たったの2週間ですが、残っていた幹部連中は「おー、よく来たな!」的歓迎をしてくれて、お約束のように「遅いじゃないの、リュックはどーした?、今日は木更津だよ」とギャグをかましてくれます。新しい職のことや、雑談をかましているうちに部長が給料を持ってきてくれて「まー困ったらいつでも戻ってこいや」と渡してくれます。本当に最後の最後だったので、仲のよかった副班長のみなさんにも挨拶して回ります。

苦労の共有が多い分、お互い感じるモノははっきりしていたようで、あっさりした言葉であっても心のこもったご挨拶です。端から見れば素っ気ないくらいですが、我々の間では十分すぎるほどです。当然世話になった人たちとはガッチリ握手を交わしていきます。そんなこんなで、幹部連中は会議の時間、私も帰ることになりました。

扉を出ればもう二度と戻ることはない。どんな会社でもそうなのでしょうが、ここまでしみじみしてしまうことってこの先あるかどうか私には分かりません。当然最後は美しく「お先に失礼します!」の言葉を残して扉を閉めるのでした。

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